泥酔の語源にまつわる勘違い、泥のように酔うことではない!

今回は「泥酔の語源にまつわる勘違い」ということで、日本語にまつわる雑学を紹介します。
酒の席でよく使われる言葉で「泥酔(でいすい)」という言葉がありますよね。

この泥酔という言葉は「泥のようにグニャグニャになるまで酔うこと」が語源で誕生した言葉だと思われています。
しかし、実はこれは勘違いであり、実際は中国の書物に登場する架空の虫が語源となって誕生した言葉なのです。

泥酔の語源にまつわる勘違い

泥酔語源
まずは「泥酔」という言葉の意味から解説していきますね。
泥酔とは「酒に酔っているという自覚がなく、酔っていた記憶も無くなるほど酔うこと」という意味があります。

酒の席でベロンベロンに酔っているのに「酔っていない!」だとか、翌日にそのことを聞くと「覚えてない!」なんて答える人がいますよね。
まさにそのような状態になるまで酔うことを指して「泥酔」という言葉が使われます。

泥酔している人は意識や身体がまさに「泥のようにグニャグニャになっている」ように見えますよね。
そのことから、泥酔とは「泥のようにグニャグニャになる様子」が語源となって誕生した言葉だと勘違いされるようになったのです。

泥酔の本来の語源は?

しかし、泥酔の本来の語源は全く違います。
泥酔という言葉は、中国の書物に登場する架空の虫が語源となって誕生した言葉なんですね。

中国の「異物志」という書物には「泥(でい)」と呼ばれる架空の虫が登場します。
異物志は中国がまだ「呉」だった時代に書かれた書物で、朱応という人物が扶南に派遣された時に見聞したことが書かれています。

異物志によると「泥(でい)」とは南海に住み、骨が無いことから水のない場所では泥水にグニャグニャになるとされていました。
そして、泥(でい)が水の無い場所でグニャグニャになってしまう様子が、まるで酔っぱらった人のように見えたことが語源となり「泥酔」という言葉が誕生したのでした。

ほとんどの人が「泥酔」という言葉の語源について勘違いをしているので、ぜひ飲み会の席で披露してみてくださいね。
以上が「泥酔の語源にまつわる勘違い」についてでした。


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まとめ

泥酔という言葉には「酒に酔っているという自覚がなく、酔っていた記憶も無くなるほど酔うこと」という意味がある。
そのことから、身体も意識も泥のようにぐしゃぐしゃになってしまうぐらい酔うことが「泥酔」と語源だと思われている。
しかし、実際には中国の「異物志」に登場する架空の虫が語源となって「泥酔」という言葉が生まれた。
異物志によると、南海には「泥(でい)」と呼ばれる虫には骨が無く、水の無いところでは泥水のようにグニャグニャになるとされている。
その様子が酔っ払いに似ていたことから「泥酔」という言葉が誕生した。