今回は「ゾウの歯は4本しかない」ということで、ゾウにまつわる雑学を紹介します。
皆さんもよくご存じのゾウという生き物ですが、口の中はどうなっているのかというと、実は歯が4本しか生えていません。
人間には32本の歯が生えていることから、4本という数字はあまりにも少なく感じてしまうかもしれませんね。
しかし、人間の歯が1回しか生え変わらないのに対して、ゾウは生涯で5回も歯が生え変わるそうです。
ゾウの歯は4本しかない?
冒頭でも解説したように、ゾウの歯は口の中に上下左右で生えている計4本しかありません。
そして、その全てが「臼歯(きゅうし)」と呼ばれる歯であり、口の中に鋭い歯が生えていないんですね。
「臼歯」は人間の歯で言えば奥歯のような平たい歯のことで、食べ物をすり潰す時に使われる歯のことです。
ゾウの歯は4本しか歯が生えていない分、その1本1本の歯がとても丈夫に出来ており、大きさもなんと人間の大人の靴ほどあります。
重たさも歯1本あたりで3kg~5kgほどあり、人間の歯に比べると超巨大で丈夫に出来ていることがわかりますよね。
しかし、いくら一つ一つの歯が大きくて丈夫だったとしても、人間の常識で考えれば歯が4本しかないのは不便だと考えてしまうかもしれません。
ゾウの食生活
ゾウの食生活を観察してみると、ゾウの歯が4本で充分だということがわかります。
野生のゾウが普段どんなものを食べているのかというと、主に木の枝や木の葉、樹皮など堅いものを中心に食べています。
ゾウの歯が臼歯になっているのも、これらの堅い食べ物を効率よくすり潰して食べるためだったんですね。
また、ゾウの臼歯は洗濯板のようにギザギザしていて、より効率よく堅い食べ物をすり潰せるような構造をしています。
逆に、ゾウの口内に人間と同じ32本の歯がついていても、堅い食べ物をすり潰す段階で歯の間などに挟まってしまい、うまくすり潰せないですよね。
そのため、歯の本数が少なく、一つ一つの歯が大きい方がゾウにとっては食事がしやすいのです。
5回も生え変わる
人間の歯が生涯に1度しか生え変わらないのに対して、ゾウの歯はなんと5回も生え変わります。
なぜそこまで生え変わるのかというと、普段から堅いものをすり潰して食べていることから、歯がすり減ってしまうためなのです。
生え変わり方も乳歯を押しのけて下から永久歯が生えてくる人間とは違い、ゾウの新しい歯は口の奥の方からスライドするように生えてきます。
古い歯がすり減ってくると新しい歯が奥の方からスライドしてきて、古い歯を押しのけるようにして歯が生え変わっているのです。
最初に生えてくる歯は「第1乳臼歯」と呼ばれ、その後は第2乳臼歯、第3乳臼歯、第1大臼歯、第2大臼歯、第3大臼歯と生え変わっていきます。
野生のゾウの寿命である60~70年の間に計5回の歯の生え変わりがありますが、生え変わりを終えると新しい歯が生えてくることはなくなります。
牙は一生伸び続ける
アフリカゾウなどに見られるように、ゾウには巨大で特徴的な牙が生えていますよね。
実はあの牙も切歯と呼ばれる歯の一種であり、あの牙は一生伸び続けるという特徴があるのです。
ちなみに「切歯(せっし)」とは、人間でいうところの前歯のことですね。
ゾウはこの切歯を使って堅くて丈夫な木から樹皮を削り取ったり、時には武器として戦います。
また、疲れた時には切歯の上に長い鼻をのせて休憩をすることもあるそうです。
このように一生かけて伸び続ける歯は「常生歯(じょうせいし)」、または「無根歯(むこんし)」と呼ばれます。
常生歯を持つ動物はゾウだけではなく、ネズミなどの仲間である「齧歯目(げっしもく)」などの動物にも見られる特徴となっています。
ぜひ、動物園に足を運んだ際にはゾウの口の中がどうなっているのか観察してみてくださいね。
以上がにゾウの歯にまつわる雑学でした。
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まとめ
ゾウの口の中には上下左右に1本ずつ、計4本の歯しか生えておらず、その全てが臼歯である。
普段の食生活では、木の枝や木の葉、樹皮など硬いものを食べていることから、これらをすり潰すために全て臼歯となっている。
一つ一つの大きさは大人の人間の靴ほどあり、古い歯がすり減ってくると口の奥の方から新しい歯がスライドしてきて生え変わるようになっている。
牙も切歯と呼ばれる歯の一つで、ネズミなどの仲間であるげっ歯類の牙と同じく一生伸び続ける。