学生時代、体育館やグラウンドに座る時、最もスタンダードな座り方は「体育座り」でしたよね。
しかし、2019年現在、体育座りは子供の身体に負荷が掛かるということから、今後は体育座りが廃止される可能性があるそうなんです。
確かに、数分程度なら大丈夫ですが、1時間近くも体育座りをしていると、お尻が痛くなってきますよね。
そもそも、お尻が痛くなってしまい、長時間座っているのに向かない体育座りがなぜ学校で標準化されたのかご存じでしょうか?
体育座りの歴史
それでは、体育座りが学校での座り方として標準化された経緯について解説します。
実は体育座りが学校で導入されたのは割と最近のことで、1965年のことでした。
1965年に文部省から学校で用いられる学習指導要領の補足として「集団行動指導の手びき」が発行されたことが由来です。
「集団行動指導の手びき」には体育座りが「腰をおろして休む姿勢」として紹介されており、そのため学校で体育座りが導入されたんですね。
つまり、それまで学校ではこれといって座り方が標準化されていたわけではなく、現代のようにピシッと全員が同じ姿勢で座っていた訳ではないのです。
2019年現在からみると、54年前の出来事なので、体育座りの歴史は割と最近のことだと感じてしまいますよね。
体育座りは絶対の規則じゃない
体育座りをしているとどうしてもお尻などが痛くなってしまいますよね。
また、女の子は学校の制服がスカートであるため、体育座りに抵抗があるという人も多いかと思います。
実は、学校では体育座りをしなければいけない規則などは存在せず、本来は強制されるものでもないんですね。
そのため、体育座りを崩して胡坐をかいて座ったりしても、規則に反するということはないのです。
文部科学省からも「体育の授業などでの座り方として、体育座りが絶対ではない」と発表されています。
周囲が体育座りをしていて自分だけ姿勢を崩しずらいと思っても、お尻が痛くて耐えられない場合には無理せず楽な座り方をするようにしましょう。
体育座りは廃止になる?
教育の現場では、子供たちからは「お尻や腰が痛む」や「窮屈」などの声が上がっており、今後は体育座りが廃止になる可能性が出てきているそうです。
子供たちだけではなく、教員や専門家などからも「子供の身体に負担の少ない座り方を導入すべき」という声が出ているようです。
実際に体育座りをすると、膝を抱え込むことによって内蔵が圧迫されたり、やはり座骨などに負担が掛かってしまうそうです。
そのため、ここまで標準化されてきた体育座りですが、実は長時間座るのに全く適していない座り方だとされているのです。
身体に負担の掛からない座り方
それでは、体育座り以外では、どんな座り方が長時間座っているのに向いているのでしょうか。
長時間座っているのに適しているのは「胡坐(あぐら)」だとされています。
胡坐は背筋が伸ばしやすく、お尻だけではなく、負荷が下半身の様々な場所へと分散されるため、長時間座るのに適しているんですね。
また、最近はフローリングの部屋が増えたため、子供が地べたにそのまま座る時間げ減っているそうなんです。
そのため、下半身の関節が硬い子供が増えているそうですが、胡坐は股関節などの関節を柔軟にする座り方でもあります。
体育座りがつらい場合には胡坐をかいて座ることをお勧めします。
体育座りの雑学
最後に「体育座り」にまつわる雑学です。
実は全国的に「体育座り」という呼び方が一般的になっていますが、地域によっては呼び方が変わるのをご存じですか?
体育座りは愛知県・福岡県・兵庫県・岐阜県などの地域では「体操座り」と呼んでいます。
また、関西では「三角座り」と呼ぶ地域もあり、全国で様々なバリエーションが存在しているのです。
以上が体育座りの今後についてや体育座りが日本で標準化された経緯についてでした。
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まとめ
体育座りが学校で導入されたのは1965年であり、文部省から学校で用いられる学習指導要領の補足として「集団行動指導の手びき」を発行したことがきっかけだった。
「集団行動指導の手びき」には体育座りが「腰をおろして休む姿勢」として紹介されていた。
しかし、体育座りは膝を抱え込むことによって内蔵が圧迫されたり、座骨などに負担が掛かることから長時間座るのに不向きであり、今後は廃止にすべきという声も出ている。
長時間座るのに向いている座り方は胡坐であり、胡坐は下半身への負担が軽減される他にも、下半身の関節を柔らかくする効果がある。