総スカンの意味とは?使い方も含めてわかりやすく解説!

「総スカンの意味」ということで、日本語にまつわる雑学を紹介します。
現代では死語になりつつありますが、たまに「総スカン」という言葉を耳にすることがありませんか?

しかし、意外と意味を知らなかったり、使い方を間違えていたりするんですよね。
今回は「総スカン」という言葉の意味以外にも、使い方や語源についてもわかりやすく解説していきますね。

総スカンの意味

総スカン意味
それではさっそく「総スカン」という言葉の意味について解説していきます。
「総スカン」という言葉の意味について辞書を使って調べてみると、以下の意味として掲載されています。

・周囲から嫌われること
・周りからの賛同が得られずに孤立すること
・全員から嫌われること

このように、良い意味を持った言葉ではなく、基本的には「周囲から孤立する」という意味で使われている言葉なんですね。
誰にでも自分のことをよく思っていない人間がいると思いますが、総スカンは特定の人ではなく「全員」からよく思われていないということです。

まさに「孤立無援」という状態が「総スカン」という言葉の意味になります。

総スカンの語源

続いて「総スカン」という言葉の語源について解説していきます。
総スカンの「スカン」についてですが、元々はカタカナではなく「好かん」と書きます。

「好かん」という言葉が使われ始めたのはかなり昔のことであり、江戸時代の遊女の間で使われていた言葉だとされています。
江戸の遊女たちは「嫌いだ」という意味でこの「好かん」という言葉を使っていたんですね。

そして、総スカンという言葉が誕生した時期は明らかではありませんが、大正から昭和初期の時点では既に使われていました。
明治時代から昭和初期にかけて活躍した小説家である「内田魯庵」によって書かれた「読書放浪」には、以下の文章が登場します。

「其の上に同じ滞留客を下目に見る尊大振りが鼻持ちならんので宿屋中の総スカンになった」

「読書放浪」が出版されたのが1933年(昭和8年)のことだったため、実はかなり昔から使われている言葉だったんですね。
また、1926年(大正15年)に時事新報社経済部によって出版された「財づる物語」にも、総スカンという言葉が使われていました。

「スカン」の部分がカタカナであることから、意外と英語が語源だと誤解されている方も多いんですよね。
総スカンは純日本語であり、漢字で書いた場合には「総不好」と記載されることもあるようです。

総スカンの使い方

最後に「総スカン」という言葉の正しい使い方について解説していきます。
「総スカン」の正しい使い方として、以下の例文を参考にしてみてくださいね。

・失言がきっかけとなって総スカンを食らってしまった。
・態度が悪かったため総スカンを食う羽目になった
・横暴な態度をとった上司が職場で総スカンを食っている
・勇気をもって行動したが、総スカンを食らう結果となった

「総スカン」という言葉の正しい使い方、ご理解いただけたでしょうか?
以上が「総スカンの意味」についてでした。


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まとめ

総スカンには「周囲から嫌われること」「周りからの賛同が得られずに孤立すること」という意味がある。
1933年に出版された内田魯庵の読書放浪には既に「総スカン」の文字が登場していることから、昭和初期には既に存在していた言葉である。
「スカン」の語源は江戸時代にあり、遊女が「好かん」を「嫌いだ」という意味で使っていたことが語源だとされている。
漢字で書いた場合には「総不好」となることもある。