ソーサーの意味や使い方、ティーカップに皿がついている理由とは?

今回は「ソーサーの意味や使い方」ということで、ソーサーにまつわる雑学を紹介します。
ティーカップにはお皿がついてきて、このお皿は「ソーサー」と呼ばれているのは皆さんもご存じですよね。

しかし、普通のコップにはソーサーなどはついてきませんし、ティーカップだけにソーサーが付いてくるのはなんだか不思議ですよね?
しかも、意外とこのソーサーの本来の意味や使い方について知っている人は、ほとんどいないのです。

ソーサーは本来は受け皿ではない

ソーサー意味使い方
ソーサーについては、紅茶などの飲み物をこぼした時の受け皿だと考えられている人がとても多いですよね。
しかし、ソーサーの本来の用途は受け皿ではありませんし、お行儀良く紅茶を飲むためのものではありません。

また、近年では様々なデザインのオシャレなソーサーがありますが、見た目の華やかさを求めるようになったのもつい最近のことなんですね。
それでは、本来のソーサーはどのようにして使われていたものだったのでしょうか?

本来のソーサーの意味や使い方

続いて「本来のソーサーの意味や使い方」について解説していきます。
実は、昔はソーサーこそがティーカップの機能を果たしており、ティーカップがティーポットの代わりだったのです。

現代ではかなり下品に見えてしまいますが、カップからソーサーに飲み物を注いで、ソーサーから飲み物を飲んでいたんですね。
しかも、当時のソーサーで飲み物を飲むときのマナーは「敢えてズズズと音を立てて飲む」というものでした。

日本茶を飲む時に音を立てて飲むのは一般的ですが、そのようなマナーが海外にも存在していたことは意外ですよね。
また、ヨーロッパといえば気品が溢れているイメージがあることから、このようなソーサーの使い方は想像もしなかった人も多いはずです。

なぜソーサーを使って飲むようになった?

ソーサー意味使い方
しかし、ソーサーで紅茶などを飲むのははっきりいってみっともないですし、そもそもかなり飲みづらそうですよね。
それでは、なぜわざわざ飲み物をソーサーに移して飲むようになったのでしょうか?

ソーサーで飲み物を飲むようになったのは、ヨーロッパでお茶が飲まれるようになったのが、実はアジアよりも後だったことが関係しています。
日本や中国などには、古来よりお茶を飲む文化があったことから、お茶を淹れるためのティーポット(急須)」がありました。

しかし、ヨーロッパにはお茶を飲む文化が存在しなかったことから、お茶が伝わった当初はティーポットが存在していなかったのです。
そして、そのような茶器の輸入については、貿易大国が輸入を独占していたことから、ティーポットはなかなか手に入らない代物だったのです。

そのため、茶葉をカップに入れて、そのままお湯を注いでお茶を淹れるようになりましたが、やはり飲む時に茶葉が邪魔だったんですね。
そこで、ヨーロッパの家庭でも一般的だったお皿などに、茶葉が入らないように紅茶を移してから飲む文化が始まり、これがソーサーの発祥となったのです。

お茶を冷ますのにちょうど良かった

茶葉が入らないようにする以外にも「お茶を冷ます」という意味でも、ソーサーがその役割を果たしていたそうです。
西洋人には猫舌の人が多かったそうなので、いったんソーサーを経由させることにより、お茶がちょうど飲みごろの温度にしていたんですね。

また、紅茶だけではなく、コーヒーについてもソーサーに移してから飲む文化が存在していました。
ちなみに、ヨーロッパに最初に伝わったのは日本の緑茶であり、ヨーロッパのお茶文化の始まりは緑茶だったとされています。

現代のソーサーの意味や使い方

ソーサー意味使い方
時代が流れて18世紀ごろになると、技術が発達してティーポットがヨーロッパの国々でも作られるようになりました。
その後、ティーポットが作られるのと同時に、お茶をソーサーに移してから飲むという文化も失われていったのです。

現代でもティーセットとしてソーサーが付いてくるのも、お茶をソーサーに移して飲んでいた名残りだったんですね。
そして、現代ではソーサーが砂糖やティースプーンを置く用途として使われるようになりました。

また、様々なデザインのソーサーが登場し、ティータイムを華やかに彩る目的としても使われています。
今回紹介したソーサーにまつわる雑学を、友人とお茶した時などにぜひ披露してみてくださいね。

以上が「ソーサーの意味や使い方」についてでした。


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まとめ

ソーサーは現代では受け皿としての用途や、見た目を華やかにするための意味合いで使われている。
しかし、元々はソーサーは紅茶などをカップから移して、適温に冷ましたり茶葉を避けるために使われていた。
これは、お茶の発祥である中国からティーポットが輸入される際に、一部の国でしか輸入できなかったことが影響している。
そのため、カップで紅茶を淹れるようになり、ソーサーに移して飲む文化が生まれた。