今回は沖縄県に生息している「マングース」や「ハブ」にまつわる雑学を紹介します。
沖縄県といえば「マングース」「ハブ」のイメージが強く、昔は「マングースVSハブ」のショーが行われていました。
しかし、そもそもですがマングースは外来種であり、本来は沖縄県にいるはずのない動物だってご存じでしたか?
マングースは日本に偶然やってきたのではなく、人間の手によって持ち込まれた動物なのです。
沖縄の「マングースVSハブ」の構図
マングースは沖縄県に生息していませんでしたが、ハブは古来より沖縄県に生息していました。
そして、昔は現在のようにハブの毒を治療する術がなかったことから、ハブに噛まれて命を落とす人もいたそうです。
明治時代になってからも依然としてハブの毒に対する血清などは登場しませんでした。
家畜やペットなどに噛みついて殺してしまうこともあり、ハブは害獣として猛威を奮っていました。
マングースが持ち込まれた理由
そこで、ハブの数を少しでも減らそうと考え、日本に持ち込まれたのがマングースだったのです。
東大の教授がハブとマングースを戦わせる実験を行ったところ、ハブに噛まれても死ぬことはなく、最後にはハブを仕留めてしまったんですね。
そして、マングースはハブの天敵になり得ると考えられるようになり、沖縄県へと持ち込む計画が立てられました。
日本にマングースが持ち込まれたのは1910年のことであり、最初に持ち込まれたのは21匹だけだったそうです。
その後、マングースは順調に数を増やしていき、すぐに数千から数万頭まで数を増やしました。
ハブの天敵として活躍し、沖縄県の平和を守る動物として期待されていたマングースでしたが、結果的にこの計画は大失敗に終わりました。
ハブ退治は大失敗
マングースが持ち込まれたことにより、ハブの数が減ることが期待されましたが、計画は失敗でした。
マングースは肝心のハブを捕食することはなく、鶏やアヒル、野鳥など関係の無い動物を捕食していたんですね。
沖縄県には希少な動物が多く生息していますが、マングースはそれらの動物も捕食するようになり、希少動物の数が減る事態も招く結果となりました。
また、マングースの影響で絶滅してしまった動物もいたそうです。
本来、沖縄に住む動物にとっての捕食者はハブだったため、沖縄に住む動物はハブから逃げるための独自の進化を遂げました。
しかし、外来種であったマングースから逃げる術は身に付けていなかったため、なす術も次々と捕食されてしまったのです。
「マングースVSハブ」ショーが無くなった理由
少しでもマングースとハブを観光などに生かそうと考えた結果、沖縄県では「マングースVSハブ」のショーが行われるようになりました。
どちらかが死んでしまうところまで行うと残酷すぎるため、とどめを刺してしまう前に引き離してショーを終了としていました。
しかし、2019年現在では「マングースVSハブ」のショーは全く開催されなくなりました。
とどめを刺さないにしても、動物たちを戦わせるのが残酷だったため、動物愛護法によって2000年に禁止となったのです。
人間の都合で持ち込まれて、害獣となったら戦わせるなんてちょっと残酷な話ですよね。
禁止以降は対決させる形ではなく、ハブやマングースのショーが行われているそうです。
以上が沖縄が「マングース」と「ハブ」のイメージとなった意外な理由でした。
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まとめ
沖縄県ではハブが人間や家畜、ペットを襲うことが問題となっており、時には人間が命を落とすこともあった。
ハブとマングースを戦わせる実験で、マングースが見事にハブを仕留めたことから、ハブの天敵として沖縄県に持ち込まれた。
しかし、期待とは裏腹にハブを捕食することはなく、他の動物を捕食し始めて本来の生態系が崩れる結果となった。
昔は「マングースVSハブ」のショーなどが行われていたが、2000年以降は動物愛護法によって禁止された。