ゴールデンウィークGWの由来、かつては”黄金週間”と呼ばれた。

今回は「ゴールデンウィークGWの由来」ということで、ゴールデンウィークにまつわる雑学を紹介します。
春の大型連休である「ゴールデンウィーク」が近づいてくると、どんな休暇を過ごそうかと思わずわくわくしてしまいますよね。

特に2019年のゴールデンウィークについては、天皇陛下の退位も重なって10連休となることが確定して、大変な話題を呼びました。
しかし、この「ゴールデンウィーク」という言葉、いつごろから使われていて、どんな由来がある言葉なのかご存じでしょうか?

ゴールデンウィークGWの由来

ゴールデンウィーク由来
それではさっそく「ゴールデンウィーク」という言葉の由来について解説していきます。
「ゴールデンウィーク」という言葉が誕生したのは戦後のことで、1950年代だったとされています。

ラジオのゴールデンタイムが由来

ゴールデンウィークは英語であることから、外国から伝わってきた風習だと考えている人も多いかもしれません。
しかし、ゴールデンウィークはとある映画をきっかけにして使われるようになった言葉であり、日本人が考えた和製英語なのです。

少し話は逸れますが、映画館が繁忙期を迎えて客足が増える時期っていつ頃かをご存じでしょうか?
年末年始などに映画館が混むことは予想されますが、実はゴールデンウィークも映画館へ足を運ぶ人が急増する時期なんですね。

話を戻すと、1951年のゴールデンウィークに上映された「自由学校」というタイトルの映画ですが、なんと年末年始よりも客足が増えたのです。
そこで、映画館側もゴールデンウィーク期間中にもっと映画館へ足を運んでもらおうと考え、この大型連休に名前を付けようとしたのです。

ゴールデンウィークと名付けたのは、当時の大映専務であった松山英夫氏だったそうです。
当時、テレビが普及していなかった時代に、ラジオ界隈では最も視聴率が高い時間帯のことを「ゴールデンタイム」と呼んでいました。

そこで、ラジオのゴールデンタイムが由来となって、春の大型連休のことを「ゴールデンウィーク」と名付けたのでした。

元々は黄金週間と呼ばれていた

春の大型連休は最初から「ゴールデンウィーク」と呼ばれていた訳ではありませんでした。
当初は「ゴールデンウィーク」ではなく「黄金週間」と呼んでいたのです。

しかし、「黄金週間」という言葉は当時の日本ではインパクトに欠けていたためか、あまり普及しませんでした。
そこで英語にして「ゴールデンウィーク」としたのですが、やはり戦後ということもあって英語の方がハイカラな響きに聞こえたのかもしれませんね。

その他の俗説

実は「ゴールデンウィーク」という言葉の由来には他の俗説も存在しています。
例えば「ロッキー山脈で砂金が沢山とれることが由来」とする説です。

春になって雪解けを迎えた後には、ロッキー山脈ではたくさんの砂金が取れるようになったとされています。
そのため、街の人々が金鉱を探しにロッキー山脈へと次々に入山したことから、街のお店のほとんどが休みになってしまったのです。

そのため、この時期は砂金が取れて皆が仕事を休むことから「ゴールデンウィーク」となったという説ですね。
他にも「マルコ・ポーロの来日」に関係するという説もあります。

東方見聞録によると、マルコ・ポールが日本へと訪れて「黄金の国ジパング」と紹介したのが5月初旬だったとされています。
そのため、5月初旬をゴールデンウィークというようになったという説ですが、これらの全ての説は俗説となっています。

NHKではゴールデンウィークと呼ばない

ゴールデンウィーク由来
ゴールデンウィークにまつわる雑学ですが、実はNHKでは「ゴールデンウィーク」という言葉は使わないのをご存じですか?
NHKでゴールデンウィークについて放送する時には、必ず「春の大型連休」という言葉が使われているのです。

なぜかというと、由来にもあったように「ゴールデンウィーク」という言葉が映画業界で使われている用語だからなんですね。
NHKの規定には特定の業界の宣伝をしてはいけないというものがあり、ゴールデンウィークという言葉を使うと映画界隈の販促になってしまい、規定に抵触してしまうのです。

また、当初「ゴールデンウィーク」という横文字が、年配者にとって分かり辛いものだったことも理由の一つです。
2019年現在では「ゴールデンウィーク」という言葉を各分野の企業が商標登録しているため、ますますNHKでは「ゴールデンウィーク」という言葉が使えなくなっています。

更に「休暇を取れない人にとってはゴールデンではない」「1週間以上の期間を指すのにウィークはおかしい」など、視聴者からの抗議の電話もあるそうです。
我々にとってはあまり気になることではありませんが、放送業界では実は様々な部分で気を遣っているんですね。

中国のゴールデンウィーク

実は中国にも日本のゴールデンウィークによく似た大型連休があります。
中国ではこの大型連休のことを「黄金周」と呼び、この時期は海外旅行へ行くなど、日本にも多くの中国人が訪れます。

日本のゴールデンウィークとは時期が違い、中国の「黄金周」は旧正月から始まる1週間国慶節(10月1日)から始まる1週間となっています。
国慶節は毛沢東によって現在の中華人民共和国の成立が宣言された日のことですね。

また、旧正月の大型連休については「爆買い」をしに日本へ訪れる中国人も増えて、毎年話題になっています。
やはり中国人にとっても、大型連休は旅行のチャンスであり、日本人と同様にバカンスを楽しんでいるんですね。

なぜゴールデンウィークは大型連休になる?

ゴールデンウィーク由来
それでは、なぜゴールデンウィークは毎年のように大型連休となるのでしょうか?
それは、ゴールデンウィークの期間中に祝日が集中して固まっているからなんですね。

現代では「ゴールデンウィーク」と一括りにしていることから、その日がどんな祝日かを理解していない人も多いそうです。
実はゴールデンウィーク期間中には「昭和の日」「憲法記念日」「みどりの日」「こどもの日」など4つの祝日があります。

特に後半の「憲法記念日」「みどりの日」「こどもの日」は5月3日~5月5日と繋がっていることから、土日をはさんだとしても必ず4連休以上になることが保証されています。
もちろん一年間の中でも暦上でこれだけ祝日が密集しているのも、ゴールデンウィーク期間中だけなんですね。

以上が「ゴールデンウィークGWの由来」についてでした。


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まとめ

1951年の春の大型連休に公開された「自由学校」という映画が、年末年始以上に客足が伸びてヒットした。
そのため、春の大型連休を「黄金週間」と呼んだがインパクトに欠けていたため、ラジオのゴールデンタイムを由来にして「ゴールデンウィーク」と名付けた。
NHKでは様々な規定により「ゴールデンウィーク」と放送できないため、放送上では必ず「春の大型連休」と呼んでいる。
また、中国にも日本と同じような連休が存在し、中国ではこのような大型連休のことを「黄金周」と呼んでいる。