まな板の”まな”の意味とは?語源や由来についても簡単に解説。

今回は「まな板の”まな”の意味」ということで、まな板にまつわる雑学を紹介します。
料理をする人であれば日常的に使う「まな板」ですが、実は語源・由来については全く知られていないのです。

例えば「まな板の”まな”ってどういう意味?」と聞かれたら、おそらく答えられる人は3%もいないのが現状でしょう。
料理に使われる食材を切る板がなぜ「まな板」と呼ばれるようになったのか、語源や由来についても簡単に解説していきます。

「まな板の”まな”の意味」

まな板のまな意味語源由来
それではさっそくまな板の”まな”という言葉の意味について解説していきます。
実はまな板については漢字で書くと「俎板」となるのはご存じでしょうか?

手元にあるスマホやキーボードで「まないた」を変換して頂ければ、きちんと変換できることがわかりますよね。
この「俎(まな)」という漢字は中国語が由来となっており、「肉」と「台」を組み合わせたことによって誕生した漢字です。

つまり、肉を調理する台のことを中国語では「俎(まな)」と呼んでいたんですね。
そして、現在の日本では「まな板」といえば「食材を調理する台」という意味を持つようになったのです。

まな板の語源・由来

まな板意味語源由来
続いて、なぜ日本で「まな板」と呼ばれるようになったのかについて、語源や由来を解説していきます。
まな板の語源・由来は諸説ありますが、共通するのは昔の食材が全て「な」と呼ばれていた点です。

そして、全ての食材が「な」と呼ばれていたことから、調理する食材を区別するために「まな板」と呼ぶようになったのです。
今回は「な」が「魚」を表す説と「菜」を表すという二つの説について紹介します。

魚(な)とする説

まずは「魚(な)」とする説についてですが、古来より日本では魚のことを「な」と呼んでいました。
しかし、主食となる他の食材についても「な」と呼んでいたことから、魚の「な」と混同してしまうこともあり、非常にややこしかったそうです。

そこで、魚の「な」を区別するために接続語として「ま」を付けることにより、魚を「真魚(まな)」と呼ぶようになりました。
そして、魚は硬い鱗に覆われていたり、骨なども切らなければならないため、硬い調理台の上で捌く必要がありますよね。

そのため「真魚(まな)」を捌くための板ということが語源・由来となって、魚を捌く板のことを「まな板」と呼ぶようになったのです。
中国語の「俎(まな)」には「肉を調理する台」という意味があったので、日本語の「まな板」とも非常に意味が似ていますよね。

菜(な)とする説

続いて「菜(な)」とする説についてですが、現在は「菜(な)」といえば野菜を意味する言葉となっていますよね。
しかし、当時の日本では「菜(な)」といえば主食以外の副菜を意味する言葉として知られていました。

そして、現在では副菜として魚や肉が出てくることは当たり前となっていますが、当時は魚や肉が貴重品の時代でした。
そのため、野菜以外の副菜(肉や魚)のことを真の菜ということで「真菜(まな)」と呼ぶようになったのです。

野菜と違って肉や魚はしっかりとした調理台の上で捌く必要があることが語源・由来となり、「真菜(まな)」を捌くための板のことを「まな板」と呼ぶようになったのでした。
どちらも昔の「な」という言葉が語源・由来となっていますが、昔から「まな板=調理をする板」という意味は変わっていないんですね。

以上が「まな板の”まな”の意味・語源・由来」についてでした。


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まとめ

まな板は漢字で書くと「俎板」となり、「俎」という漢字は中国語の「肉を調理する台」が由来となっている。
日本で食材を調理する台のことを「まな板」と呼ぶようになったのは、日本では古来より様々な食材を「な」と一言で呼んでいたことが由来となっている。
魚のことを「な」と呼んでいたことから、他の食材と区別するために「ま」をつけて「真魚(まな)」とし、調理する台を「まな板」と呼んだという説。
また、貴重品だった魚や肉のような副菜を「真菜(まな)」と呼んだことから、それを調理する台を「まな板」と呼ぶようになった説など語源は諸説ある。