パンダは笹や竹が好きなわけではない、昔は肉を食べていた!

今回は「パンダは笹や竹が好きなわけではない」ということで、パンダにまつわる雑学を紹介します。
パンダの大好物と言われれれば、おそらくほとんどの人は「笹」や「竹」といったものを思い浮かべると思います。

しかし、実はパンダは笹や竹といったものを好んで食べている訳ではなく、むしろ苦手な食べ物だって知っていましたか?
それでは、特に好物でもない笹や竹をなぜ一日中食べているのか、不思議に思ったので詳しく調査してみました!

パンダの好物は笹や竹じゃない

パンダ笹
冒頭でも軽く解説しましたが、パンダは笹や竹を主食としていますが、別に好物だから食べている訳ではありません。
結論から言ってしまえば、パンダは「笹や竹がそこにあるから」食べているだけなんですね。

実際にパンダの体内について研究が進められた結果、パンダの胃や腸は笹や竹を消化するのに向いていないことがわかっています。
そもそも、パンダは熊の仲間の哺乳類であることから、草食動物ではないんですね。

そのため、腸も熊などの哺乳類と同様に短くなっていて、笹や竹を消化吸収するのには不向きとなっているのです。
本当はパンダは笹や竹なんかじゃなくて、もっと手軽に栄養補給の出来る美味しいものが食べたいのかもしれません。

なぜ笹や竹を食べるようになった?

それでは、なぜ他の食べ物ではなく笹や竹を食べるようになったのでしょうか?
他にもいくらでも食べるものはあると思いますが、理由は大きく二つ考えられています。

理由の一つ目は、天敵となる動物や餌の取り合いを避けて生活圏を変えていった結果だとされています。
パンダは俊敏な動物ではありませんし、天敵に狙われると一たまりもありませんよね。

また、どうしても素早い動物に先に獲物を取られてしまうことから、生存競争に負けて現在の中国の山岳地帯へ移り住んだと考えられています。
そして、中国の山岳地帯には笹や竹が無数に生育していたため、いつでも食べることが出来る笹や竹を食べるようになっていったのです。

確かに笹や竹は冬の寒い時期を迎えたとしても食べることが出来ますし、一年中餌の確保には困らないことから説得力がありますよね。
ちなみに、動物園で飼育されているパンダは、笹や竹だけではなく、他の野菜や果物などが与えられることもあるそうです。

昔は肉を食べていた

パンダ笹
笹や竹を食べるようになった理由の二つ目としては「氷河期」が関係しています。
現在のパンダは笹や竹といった植物を主食としていますが、およそ300年前までは肉を食べて生活をしていました。

しかし、氷河期を迎えるとパンダが餌としていた動物が死滅してしまい、餌を手に入れることが出来なくなりました。
そこで、氷河期を迎えても食べることが出来る笹や竹を食べることによって飢えを凌いで生き残ったのです。

そのため、氷河期を迎えた段階でパンダが肉食から、笹や竹を食べるように進化していったものだと考えられているんですね。
厳しい環境を生き抜くために、そこまで好きでもない笹や竹を食べていたなんてなんだか涙ぐましいものがありますよね。

大量に食べている理由

続いて、パンダが笹や竹を大量に食べている理由について解説します。
動物園などでパンダを観察したことがある方はご存じかと思いますが、パンダは一日のほとんどを食事に費やします。

なんと、一日の10時間以上を食事に費やしていて、その間には20kgもの笹や竹を食べているんですね。
好きでも無いものをなぜここまで大量に食べているのかというと、先ほども解説したようにパンダの身体にあっていないからなのです。

無理して大量に食べたとしても、パンダの腸内が笹や竹を消化吸収するのに不向きであるため、ほとんど吸収されずに排泄されてしまうんですね。
10kg食べたとしても2kgほどしか消化されないため、その分大量に食べて栄養を摂取しなければならないのです。

季節によって食べる竹や笹が変わる

パンダ笹
パンダが笹や竹を主食にしているといっても、年中同じ種類のものを食べている訳ではありません。
竹は種類によって成長してしまうと栄養素が失われてしまうことから、新芽を探して食べることがあります。

また、竹には栄養がそこまで含まれていないことから、時期によっては笹の葉を中心に食べることもあるそうです。
哺乳類にとってはリンやカルシウムといった栄養素は重要であるため、季節によって食べ分けているんですね。

他には、雌のパンダなどは妊娠をすると、お腹の中の赤ちゃんパンダに栄養を与えるために、栄養豊富な餌を探して食べるようにするそうです。
同じものを単純に大量に食べている訳ではなく、きちんと栄養バランスを考えて食事を取るなんて、まるで人間のような食生活をしていますよね。

以上がパンダの食事にまつわる雑学でした。


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まとめ

パンダは熊の仲間であり元々は肉食動物のため、笹や竹を食べるのに不向きな身体をしている。
天敵から逃れるためや、他の動物との餌の取り合いを避けて生活圏を変えていった結果、笹や竹が豊富にある中国にたどり着いた。
氷河期を迎えたころには餌となる動物などがいなくなってしまったため、そこにあった笹や竹を食べるように進化したとも考えられている。
パンダの腸内は笹や竹を消化吸収するのに向いていないことから、大量に食べる必要がある。