八百屋の語源や由来、元々は青物屋と呼ばれていた。

今回は「八百屋」という言葉の語源や由来について解説します。
「八百屋」と書いて「やおや」と読み、八百屋には果物や野菜などの生鮮食品が売られていますよね。

しかし、皆さんもご存じのように「八百」には「果物や野菜」を意味する言葉ではありません。
それでは、なぜ果物や野菜などの食品が売られているお店のことを「八百屋」と呼ぶようになったのでしょうか?

八百屋の語源・由来

それではさっそく「八百屋」という言葉の語源や由来について解説していきます。

元々は青物屋だった

野菜や果物を意味する日本語に「青物」という言葉がありますよね。
そのことから、昔は野菜や果物を販売するお店のことを「八百屋」ではなく「青物屋」と呼んでいたのです。

「青物」という言葉が誕生したのは室町時代のことだとされていて、元々は宮中に仕えていた女性の使用人に使われていた言葉なのです。
使用人たちの間では菜物を「青物」と呼んでいましたが、その言葉が一般市民にも普及するようになり、青物が野菜を意味する言葉となったんですね。

そして、庶民の間でも野菜を「青物」と呼ぶようになったことから、野菜などを販売するお店を「青物屋」と呼ぶようになったのです。
その後、青物屋は省略して「青屋(あおや)」と呼ばれるようになり、青屋が語源・由来となって現在の「八百屋(やおや)」の発音に一歩近づいたのでした。

八百屋となった理由

「青屋(あおや)」が「八百屋(やおや)」と呼ばれるようになったのは江戸時代のことだったとされています。
江戸時代のいつ頃に変化したのかは定かではなく、「八百屋」となった理由についても諸説あるそうです。

その中でも信ぴょう性が高いといわれている説を二つ紹介します。

藍染業者と誤解されないため

「青屋」は野菜や果物を販売するお店以外にも、藍染めを行う「藍染め業者」を意味する言葉でした。
そのため、藍染め業者のことを「青屋」とする一方で、区別をするために「あおや」を「やおや」と呼ぶようにしたのです。

そして、江戸時代は職業差別が激しい時代でもあったことから、藍染め業者は卑しい人のする商売だとされていたそうです。
そのような影響もあったのか、果物・野菜を販売する「青屋」は「八百屋」へと変化していったのかもしれません。

発音しやすいため

「あおや」はなんだか発音がしづらいということで「やおや」と呼ぶようになった説です。
発音するとわかりますが、確かに「あおや」よりは「やおや」の方がずっと発音しやすいですよね。

八百の意味とは?

最後になぜ「やおや」に「八百屋」という漢字があてられたのかについて解説します。
「八百」という言葉には「たくさん」という意味があります。

「嘘がたくさん」を意味する日本語に「嘘八百」などの言葉がありますよね。
このように、品揃えが多く、たくさんの品物を扱っていることが語源・由来となって「八百屋」となったとされています。

以上が「八百屋」という言葉の語源や由来についてでした。


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まとめ

八百屋は野菜や果物を販売するお店を意味する言葉であり、もともとは「青物屋」と呼ばれていた。
「青物」は室町時代に宮中に仕える女性の間で使われていた言葉であり、庶民にも伝わった結果、野菜や果物を販売するお店を青物屋と呼ぶようになった。
そして、青物屋は省略して呼ばれるようになり「あおや(青屋)」と呼ばれるようになった。
八百屋となった語源・由来は諸説あり、藍染め業者と区別するためや、発音しやすかったためだとされている。
「八百」には「たくさん」という意味があることが語源・由来となって、「八百屋」という漢字があてられた。